株式会社ウエキ伝導機 【増築+リノベ】長野市

竣工時 外観
(株)ウエキ伝導機 建築メモ

所 在 地 長野県長野市
構造・規模 鉄骨造2階建て
      
建物用途  オフィス
工事種別  増築+リノベーション
竣 工 年 2020年

受付カウンター

玄関と受付カウンター
外壁の木板から連続性を演出する木製カウンター
天板は倉庫で眠っていた昔の机を加工しています

受付カウンター

「従業員が快適に仕事できる環境にしたい」

というコンセプトから始まった、ウエキ伝導機さんの社屋増強プロジェクト。数年前に策定された10年ビジョンに含まれていた一大事業であり、これからの10年後、20年後にも影響を及ぼすため、私たちも特に力を入れて設計監理に臨みました。

「今の事務室は冬場とても寒いから何とかしたい」

快適なオフィス環境と言われるとレイアウトや明るさを思い浮かべますが、実は温熱環境もモチベーションに大きく関わっています。冬の寒い日に、設定温度より寒く感じる時はありませんか?その訳は冷たい床や壁面が自分の体温を奪っているからで、建物の断熱性能を高めるだけで大きく改善できます。そこで今回は、外壁に次世代高性能断熱材×外断熱工法を採用し、サッシも省エネ性の高いLow-eガラスにしました。その他にもヒートブリッジになりそうな箇所を、現場で確認しながら丁寧に断熱処理を行っています。その成果もあって、「寒い朝もすぐ暖かくなって、すごく快適」女性従業員さんも「足元の冷えが全然違う」と好評でした。高性能断熱材は少し高いですが、快適に過ごせる上に年間の光熱費を軽減できますので、長期的に見れば間違いなくお得になります。

「無駄と言われそうだけど無用途の広間が欲しい」

何か変わった事や新しい事を始めたい時に、余裕やゆとりがある方が柔軟に対応できます。その想いを実現しつつ無駄と感じさせない様に、可動式パーティションで区画できる広間としました。小部屋になることで同時に複数の用途で使えるだけでなく、光熱費も必要最小限に抑えられます。多目的ホールと名付けられたその部屋は、今も多用途に使われております。

「従業員が働きやすい建物にしたい」

この想いに答えるべく、丁寧にヒアリングを行いつつ現状の動線状況も視ながら、建物を使う人達に寄り添った間取りを考えました。今後は女性比率の向上や車椅子の利用にも配慮したいとのお声もあり、どのように使いたいか、どうなっていると便利か、を考えながら設計を行って、その会社の従業員さんに合った建物に近づけていきました。

金属製品を扱う企業なので木を使いたいというご要望もあり、全体的に木を基調にして温かみのあるデザインになっています。綿密なミーティングの上で細部までデザインされた空間は、「本当に居心地のよいオフィスで、仕事への意欲が湧いてくる」と嬉しいお声をいただきました。後日談として、採用面にも大きく効果があった様でして、職場見学で入社を決めてくれる人も多いそうです。

快適な事務室

1階 事務室
社員さんが働きやすい様に余裕のある寸法で配置してあります
床下配線を採用しています

多目的ホール

2階 多目的ホール
全体的に「木」でしつらえたため、温かみのある空間になっています
可動式パーティションで2部屋になります

多目的ホール 間仕切り時

2階 多目的ホール(間仕切り)
多目的ホールを間仕切りすることで、お客さんとのミーティングスペースなどに
天気の良い日は北アルプスがキレイに見えます

車椅子利用を備えたトイレ

1階 男子トイレ
手摺を設置することで車椅子での利用も出来る様になっています